みなさんこんにちは。スタフ屋の右京崇です。
イベントレポートの動画はいかがだったでしょうか、参加した方もそうでない方も、是非こちらやツイッターでご感想などお寄せください。
さて、最近は各社からより高価格帯のイヤフォンヘッドフォン、さらには新興メーカーからのイヤフォンヘッドフォンが熱いです。
ちょっと前にはなりますが、TTPOD T1などもその価格からは想像もつかない音のクオリティに驚き、即購入を決めたものもありました。
最近ではKZ ATEだとかKZ IE80、Auglamour R8(これはまだ聴いた事が無い)など、結構耳にする機種も多いのではないでしょうか。
いずれも数百〜数千円でありながら数千〜・・・の音が出るというようなコストパフォーマンスのよさが売りで、成程聴いてみても納得の音です。
しかしながら、よく聴きこんでみると細かいところではアラがあったりもう少しこうであればというような感想があるのも事実です。
どれも「この価格なら十二分で、そこまでは求めるべきところではない」という結論に至ります。
さて、今回紹介するイヤフォンはそういった様々なイヤフォン界の常識を覆すまさに革命児たるところです。
こちら、SEIUN DAPでもおなじみ、CYBERDRIVEのForte Impact Dura(BASS TUNE)です。

パッケージは非常にこじゃれていて、すっきりとした最近のデジタルガジェットらしいデザイン。
しかしオーディオ的な視点からすると、とても高級なものには見えないパッケージデザインです。
早速中をあけてみましょう。

はい、よくある「低音フォン」らしい、ごつめであまり音の良くなさそうな佇まいです。
まさにそこら中に溢れかえる「ビーツ系駄イヤフォン」そのものであります。紐のようなイヤフォンケーブルも靴紐イヤフォンを思わせるものです。私の購入したこちらはガンメタル/ブラックでまだよいのですが、私が初めてみたものはゴールドで、もっとチープでありました(失礼)。
さて、このイヤフォンの素晴らしさを享受するにはまずイヤーチップから、というところがまずちょっと一呼吸置くところなのですが、私が以前ブログでも紹介したCarotONE TITTAにそっくりなイヤーチップ、ALPEXのものが大変よくあうので、これの購入が必須となります。
2012年12月29日記事「Carot One TITTA 純正とほぼ同じイヤーチップ ALPEX AEC-202M」
http://pcdp.sblo.jp/article/61104551.html
ツタヤやネットショップなどで格安で手に入ります。カラーバリエーションも豊富なので、楽しみも広がります。
それでは純正のイヤーチップは外してすぐこちらに交換し、早速試聴してみましょう。
写真では両方ピンクですが、後日右側赤左側青に変更しました。

(試聴して知ってはいたが)一体なんだこの音は・・・
イーイヤホンなどの店頭で右から左、CIEM含めありとあらゆるイヤフォンを片っ端から聴きこんでいる私もこんな音は聴いたことが無い!
まず圧倒的支配力を持っているのは低域。これは見た目通りなんですが、これがイヤフォンでほかにはあるのか、というレベルの量。5EBあたりだけでしょうか。
それでいながらにして全くブーミーではなく、輪郭、エッヂが80点レベルである。
低音には元来五月蝿く、SE846ですらエッヂが足りないと、これにお金は出せないとなった私でありましたが、これはどうでしょう、ここまでの量と質を高次元で実現したイヤフォンヘッドフォンがほかにあるのか?
中域もボリューム感があるのにかまぼこ感や曇りは無い。ボーカルのリアリティが恐ろしく、特に女性のウィスパーなどは、本当にゾクゾクときました。ここまでの体感をイヤフォンでしたことは、過去にありません。
高域のノビもそこそこにあり、質が高いです。楽器の表現が実に巧い。音数が多くても一つ一つ鳴らす上に、低域や中域によって殺されることがないのも特筆すべきポイントです。
そしてこれらが全帯域にわたってひじょうにスムーズなつながりであり、ケンカしないのです。
ここが素晴らしい。すべての帯域ですべての音が、すべての楽器が、一音一音曇りなく冴え渡る描写、でもバラバラではなくナチュラル。
さらに主旋律のウラの表現が大変うまく、どの帯域でもどの楽器でもメイン、裏を描ききります。これのいいところは、ライブ音源などでメインヴォーカルのウラでのウィスパーや台詞まで表現するところであり、そのフェザータッチ感に酔いしれることもしばしばあります。
音の空気感や空間表現といったところは、これには驚くべきものがあります。ものすごく広いかといわれればそうではありませんが、聴かせ方、鳴らし方が広いのですよ。
微妙なニュアンス、各帯域、楽器における本当に微小な変化・揺らぎと言うものを繊細かつ大胆に表現する、実力の非常に高いイヤフォンです。
音質にはトレードオフがつきものです。量を求めれば質が劣る、ナチュラルさを求めれば解像感が劣る、色々あるでしょう。
このイヤフォンはまさにトレードオフ知らずです。
何で何を聴いても「オカシイ」という感想がまず口をついてくる言葉です。
例えばPCDPでいえばSL-S390系のように高域にアクセントのある機種で聴けば、バランスの良いクリアネスでありながら、締まった低域が素晴らしい音になりますし、D-11でDBB MAXにしてあわせてみれば、思わずあきれて笑うほどの馬鹿低音(なのに割れない、ブーミーでない、量と質のダブルパンチ)に加え、中域高域まで描ききる・・・
普通は再生機とイヤフォンヘッドフォンの傾向によっていい組み合わせ悪い組み合わせがあるものなのですが、両方の良いところだけを残すような再生音に驚かされます。
音源に移ってみればどうでしょうか、レディーガガなどのEDM、クラブミュージックなどは最も得意するところでありましょう、ステージのウーファーで慣らしている空気感を描きあげるイヤフォン、信じられますか?
空気を揺らす低音です。
男性ヴォーカルは例えばフランク永井のような魅惑の低音のセクシーな描写はもちろん、クリスタルキングやCCBのような高い男声もいけます。
このイヤフォンを語る上で女性ヴォーカルは外せません、ウェット感はもちろん、ドライ感も表現します。
非常に気色の悪い書き方にもなりますが、「唾液感」の描写がすばらしい、このイヤフォン以外で女性の歌を聴くことはできなくなるかもしれません。
先ほどウラの表現がうまいと書きました、女声のウィスパーや身体をなめるような音の描き方、ネバーランドへ誘うサウンドステージと言えましょう。
楽器の表現もうまいため、この音質傾向でありながらクラッシックもオーケストラもジャズも何でもよいでしょう。ヨーヨーマや2cellosを聴きながら目を閉じてみると、そこには楽器と身体を左右に揺らす彼らの姿を感じました。
色々と細かく厳しく聴きこんでいくと、確かにもうひとつ弦のクリアさであるとか、ちょっと欲しいところがあるな、とも思えますが、これほどのサウンドステージを実現したイヤフォンが他にはないというレベルであるので、全く不満にはなりません。
CW-L05QDを購入した際も、何で何を聴いても、聴き飽きた音源すらも初めて聴くような気分でした。
このイヤフォンもまさにその体験をさせてくれます。
Forte Impact Dura BASS TUNE、恐ろしいイヤフォンです。
これがたったの69ドルなのですから、これぞまさに数千円で十数万の音、ではないでしょうか。私にはこれがジェリーハービーがロクサーヌシリーズで出したかった(が出せなかった)音こそがこれであろうと、そう思いました。
実は今DACとセットだと49ドルで買えるみたいなので私は損してしまったのですが、イヤイヤ、この音なら690ドルでも690ポンドでも出していい、そう思えるので悔しさは微塵もありません。
イヤフォンヘッドフォンラッシュ、「またか・・・」というような思いも出つつあった今日この頃でしょう、とんでもない機種が現れました。
興味を持った方はこちらのクーポンコードから10ドル安く購入することが出来ますので、是非ご利用ください。
https://myforteaudio.com?redeem=NTZlYjIwN2VlOGQyMDIwMzAwZDVhNzc5
CYBERDRIVE公式→http://cyberdrive.audio/
右京崇本人によるレビュー動画(45分50秒より)→http://twitcasting.tv/ukyotakashi/movie/260836001
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