2017年05月08日

第二回 右京崇とPCDP&ポータブルオーディオ研究部 イベントレポート




みなさんこんにちは。スタフ屋の右京崇です。
前々より告知をしていた主催イベント「第二回右京崇とPCDP&ポータブルオーディオ研究部」のイベントレポートを書きたいと思います。

昨年と内容などはほぼ同様ですが、好評だったので今年も開催させていただきました。
まずはじめに多摩という辺境に遠くは北陸・東北北海道地方から足を運んでくださった皆様、本当に有難うございました。
人数も昨年より10名ほど多い23名にお越しいただき、皆さんと楽しく交流が出来たのではないかと思います。

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施設の画面に表示されるとうきうきしてきますね。
申請の際にイベント名を間違ってしまったのはご愛敬。


そして設営。

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このように並べてみるとあんなに重かったのにたったこれだけか、と思ってしまいます。
去年とほぼ同じラインナップですが、音や各世代のあれを考えればベストなチョイスですからね。
今回は昨年より1台多い28台(27機種)です。

今回も昨年同様、PCDP玄人の方はもちろん、PCDPに興味がある方、そうでない方、特にライトユーザーの方にこそ参加していただいて愉しんでもらいたいな、という趣旨がありました。
私のPCDPコレクションとPCDPトークを愉しんでいただく、というような、そういう体験型イベント的な感じですかね。

今回は昨年以上に皆様からいろいろとお持ちよりいただいて、大変賑わいました。

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そして今回は願ってもないビッグなイベントも。

まさに「KuraDa試聴会in多摩センター」

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ずっと以前から知っていましたし、見たい聴きたいというところだったので本当に感動でしたね。
大きなイベントでしか聴くことができないため、興味はあっても見たことすらない逸品でした。
今回ひょっとしたら持ってきていただけるかも、ということでもうこっちがメインイベントだろうと。

今回は私主催のイベントということもあってあまり長時間を割いて聴くことはかないませんでしたが、それでもたった一曲だけでもその素晴らしさは言葉に表現しえぬほど。

HE-1以来の体験でしたね。私に必要なヘッドフォンは開放のハイエンドですから、いつかは、という思いはより強くなりましたね。

ここでは書ききれないくらい内容の濃い、自分で言うのもなんですが大変素晴らしいイベントでした。
愉しんでいただくことができていれば、幸いです。

今回初対面の方も多く、ご新規さん一名様にPCDPをプレゼントするという企画もさせていただいたのですけれども、本当に良かったです。
差し入れもたくさんいただいて、感謝です。


今回参加いただいたみなさんにアンケートをお願いしました。
今日のラインナップ中で「音の良かった機種」「総合的に魅力のあった機種」のベスト3ですね。
参加者も多くいろいろな機種が挙がりましたが、1位を5点2位を3点3位を1点として集計した結果を発表したいと思います。
なお、主催者票として音の良かった機種に1位KuraDa、2位OLDTIME NUTUBE、3位MDR-E575を、魅力のあった機種に1位KuraDa、2位D-350、3位D-E900をそれぞれ入れさせていただきました。

ではその結果を紹介します。

音の良かった機種
1位 SL-XP5 26点
2位 SL-S30 23点
3位 PVD-99K 17点

魅力のあった機種
1位 SL-XP5 21点
2位 D-848K 18点
3位 D-Z555 16点

となりました。
今回初お披露目のSL-XP5が両方で1位を取りました。PCDP第一世代の誇る圧倒的音質と最小クラスである小型ぶりがウケたのだと思います。
音質の2位には1位票同数で、構成を更新したSL-S30がランクイン。いつも何かしらのテーマをもって整備をしている私ですから、このように結果として選んでいただけたことは非常にうれしいですね。
今回去年のCD400のようなダークホースとして一番ウケるのではと期待していたCS-525という機種は6位でした。
魅力の2位は電動開閉が特徴のD-848Kでした。PCDPはやはりこういった遊び心が面白さの一つですからね。
3位には超弩級機種のD-Z555がランクイン。唯一無二のハイファイサウンドとグラフィックイコライザー、デザインがウケました。

今回のイベントに参加いただいた方もそうでない方も、イベントレポートと今回の機材をざっと全て紹介するツイキャスの動画を撮りましたので、是非ご覧になってください。
http://twitcasting.tv/ukyotakashi/movie/370103231
http://twitcasting.tv/ukyotakashi/movie/370542362


イベントに参加いただいた皆さん、本当にどうも有り難うございました。また機会があればよろしくお願い致します。
タグ:event audio
【日記の最新記事】
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2017年03月07日

第二回オフイベント開催のお知らせ

本日の持ち出し機種:SL-S30改2


みなさんこんにちは。スタフ屋の右京崇です。
ツイッターをご覧頂いている方はご存知の方も多いことと思いますが、きたる5月6日 土曜日、昨年好評を博しました私主催のオフイベントを開催いたします。

詳細はこちらをご覧ください。
第二回右京崇とPCDP&ポータブルオーディオ研究部
http://twipla.jp/events/244797

参加人数が多すぎてもバタバタしてしまうと思いますが、少なすぎても面白くないですので、興味のある方はぜひご参加ください。

当日はPCDPをはじめとしたポータブルオーディオの交流会、とくにPCDPに興味はあるけどいきなり買うのはちょっと、というような方、お初の方大歓迎です。

音源(CD-DA及びCD-R)、ヘッドフォンイヤフォン等お持ちいただいて、ここでしか聴くことができない素晴らしいPCDPの世界を感じて下さい。


スタフ屋→http://www.sutafuya.net/
タグ:event
posted by うきょうたかし at 18:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2017年01月28日

SL-S30更新しました 今年もよろしくお願いいたします


本日の持ち出し機種:
本日の持ち出しCD :



みなさんこんにちは。スタフ屋の右京崇です。
遅くなりましたが今年もよろしくお願いいたします。
今年こそはわずかでも本家サイトの更新をしたいです。また、こちらのブログも昨年以上に更新していければと思います。


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さて、2017年を迎えるにあたって私のSL-S30も更新しました。
クロックは純正から何度か変わっていますが、それ以外でのパーツ追加、交換は当初の更新以降初めてになりますね。

サンリングの銅箔PPをECHUに、HP出力にも同じくECHUを抱き合わせました。
今更ECHU?という感じではありますが、随分と前からその諸特性、音質の素晴らしさは誰もが知るところでありますから、ちょっとしたスパイスとでもいうところですね。

もともとのFXだけでも十二分ではありましたが、よりバシッと決まるようになりましたね。
細部におけるリアル感が増し、ニュアンスの表現もより巧みになりました。
常に構成をアップデートし続ける私のPCDP、Hi-DAP全盛の2017年も決して音で頂を譲ることはありえません。

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スタフ屋→http://www.sutafuya.net/
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2016年12月31日

2016年もお世話になりました



みなさんこんにちは、スタフ屋の右京崇です。
今年ももうおわりですね。はやいものです。

ちょうど一年前、以下のように書きました。

"私自身としては最近はもうまるでPCDPを買っていない(買いたくてもタマが出ない)状況でもありますが、手持ちの特に状態の悪いものの整備に手をつけると、もっとたくさんの素晴らしい機種をもっと集めたいなあなどという思いはまだまだ湧き上がります。特に最近は状態の悪化も急速化しているように思いますから、その思いは強いです。
一刻も早く「有識者」により適切な整備が施されなければ、ただでさえ少ない個体が本当に絶滅してしまうでしょう。"

今年一年を振り返った感想も、まさにこれにつきます。
去年よりもよりその思いと傾向は強くなりました。

当たり前です、気づけば世界初世界ナンバーワンのPCDP項目を設置したのも2009年の話、5年10年15年落ちでしかなかったPCDPもそれこそ約15年20年25年落ちとなっていくわけです。

これだけたくさんのPCDP個体を「持て余して」いても、まだ足りない。全然足りない。もっともっと数多く、良い個体がほしいという思いは募ります。


ところで今年は初の、念願の主催イベントも行うことができました。ツイッタやそのほかでも、今年もまた、今まで以上に一部界隈さらにはそれ以外のところでPCDPに触れた方が多かった一年に感じました。
新たに入手可能になったパーツや高精度クロック導入など、まだまだPCDPの実力を引き出せる、伸ばせる可能性もあります。

2017年は、さらにより多くの人にPCDPの面白さを感じてもらいたい、そのような一年になればいいですね。
直近の予定としては、1月か5月にまた私の主催イベントを行う予定です。

より多くの人に「本物のPCDP」を感じてもらうことが僕の願いです。


最後に、一つ報告を。
ここへきてようやく念願の一台、SL-XP5をゲットしました。これでSL-XP3/5/7が揃いました。(附属品やオプション、カラーバリエーションは全然ですが)

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足りないだ何だと言いながらも、私のPCDP活動もいよいよフィナーレでしょうか?


スタフ屋→http://www.sutafuya.net/
PCDP紹介→http://www.sutafuya.net/pcdptop.html
タグ:TECHNICS
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2016年08月26日

CDP-830Zで高精度クロックユニットを試す


本日の持ち出し機種:
本日の持ち出しCD :



みなさんこんにちは。スタフ屋の右京崇です。
高精度クロックユニットが一様に大変よろしい結果を得られるので、より低ノイズな駆動基板を製作したり、公称スペックの良いクロックを購入して試している日々です。


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今回は以前出力にVishay 597Dを導入したCDP-830Zに導入してみました。
CDP-830Zは現行のPCDPです。中華系機種のお約束ともいえるホワイトノイズレベルの大きさはあります。まあこれはイヤフォンヘッドフォンによっては全く気にならなくなるところですし、音楽が鳴っていればさした問題ではない場合が多いので良しとしましょう。
駆動力もあり、全体的にオールド機ライクな音質が非常に魅力的な一台です。
最近になってようやく価格もこなれてきたため、まさに「買い」でしょう。

ノーマルの状態でもこのような機種ですが、私のお気に入りであるVishay 597D、これをHP出力に導入すればさらにハイレベルな音へと変貌します。
4月に開催したオフにも持って行った一台ですが、およそ中華系廉価機種とは思えない音質に驚かれた方も多かったです。

今回のクロック導入でよりハイレベルになり、並み居るSL-Sシリーズなどにも引けを取らない、凌駕しようかという音になったのではないかと思います。実際にオフで聴いていただいた方にも後日こちらを聴いていただいて、全然違うとおっしゃっていました。


もうひとつ、SL-S30のクロックユニットも公称スペックの高いものと、同様に良いパーツの駆動基板に交換しました。

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差は当初ほど大きいものではありませんが、よりボーカル域を中心に全域の滑らかさとクリアネス、リアル感が増し、稀に音量の高いところなどで出ていたデジタルノイズもほとんど出なくなりました。


スタフ屋→http://www.sutafuya.net/
タグ:DIY Panasonic OHM
posted by うきょうたかし at 02:52| Comment(0) | TrackBack(0) | PCDP

2016年06月09日

SENNHEISER SHOWCASE2016 TOKYOに行きました(HE-1を聴いてきました)




みなさんこんにちは。スタフ屋の右京崇です。
先日新宿で行われたSENNHEISER SHOWCASE2016 TOKYOに足を運び、HE-1を聴くことができたので報告いたします。

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まずはじめにこの手のオーディオイベントは土日開催が常で、土日が仕事である私は行きたくてもいけないという悩みがありました。しかし今回のイベントはなんとなんと金曜土曜開催ということで、また、この金曜が丁度休みだったということもあり、これは聴きに行くしかないと。

足を運ぶと案の定平日ということで、また場所柄もあってか、予想通りすいていました。

イヤフォンやヘッドフォン、マイクやその他プロ用機器の展示が主体ではありますが目指す目標はただ一つ。
オルフェウス、もといHE-1のみ!

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素晴らしい佇まいです。まさに芸術作品といったところでしょうか・・・

さて、このようなイベントでは主催者側が用意する音源しか聴けないと思っていましたが、手持ちの機器もつなげるということだったので早速手持ちのSL-S30をつなぎました。

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しかしそれならば、もっとマトモな機器を持ってくるべきでしたね。(D-EJ2000→DR.DAC3の構成を持ってくればよかった)
更に言えば聴きたかった稀代のヴォーカリスト南翔子のCDも持っていく心算が家に忘れてきましたし、散々ですね。


人が少ないとはいえやはり目玉のこいつは独占しづらい状況でしたが、それでも三度にわけて計20分くらいは聴くことができたでしょうか。再生したのは刀根麻理子・椎名林檎・アーバンギャルドetc.

こういった試聴で20分といえば長いですが、HE-1を聴くのに十分な時間など、何年何十年かけても決して足りないでしょう・・・

とにかく体験したことのないような非常に濃密で濃厚な音。圧倒、圧倒、圧倒。
支配、圧倒、荘厳、神の座・・・

低域は恐ろしく豊かであり緻密さと豪胆さを兼ね備え、さらには中域のリアルさと量感、高域のノビ。

確かに今回は再生機の問題もあってか、若しくは機器の特性上か、高域のクリアネスや解像感は最新のハイファイなサウンドと比べれば劣るところもあるように思いました。しかし、音の全体の質感や量感、描き方、金管楽器や弦楽器をはじめとした楽器の再現性のすばらしさは恐らく唯一にして最高のものでしょう。

たとえ買うお金があってもそう簡単には入手できそうもないこのヘッドフォンユニットではありますが、HE-1、このような素晴らしい機器を生涯の間に手にしてみたい、そんな短い20分でありました。
posted by うきょうたかし at 01:23| Comment(3) | TrackBack(0) | 音楽

2016年04月13日

一聴して驚愕 Forte Impact Duraの実力



みなさんこんにちは。スタフ屋の右京崇です。
イベントレポートの動画はいかがだったでしょうか、参加した方もそうでない方も、是非こちらやツイッターでご感想などお寄せください。

さて、最近は各社からより高価格帯のイヤフォンヘッドフォン、さらには新興メーカーからのイヤフォンヘッドフォンが熱いです。
ちょっと前にはなりますが、TTPOD T1などもその価格からは想像もつかない音のクオリティに驚き、即購入を決めたものもありました。

最近ではKZ ATEだとかKZ IE80、Auglamour R8(これはまだ聴いた事が無い)など、結構耳にする機種も多いのではないでしょうか。

いずれも数百〜数千円でありながら数千〜・・・の音が出るというようなコストパフォーマンスのよさが売りで、成程聴いてみても納得の音です。
しかしながら、よく聴きこんでみると細かいところではアラがあったりもう少しこうであればというような感想があるのも事実です。
どれも「この価格なら十二分で、そこまでは求めるべきところではない」という結論に至ります。


さて、今回紹介するイヤフォンはそういった様々なイヤフォン界の常識を覆すまさに革命児たるところです。
こちら、SEIUN DAPでもおなじみ、CYBERDRIVEのForte Impact Dura(BASS TUNE)です。

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パッケージは非常にこじゃれていて、すっきりとした最近のデジタルガジェットらしいデザイン。
しかしオーディオ的な視点からすると、とても高級なものには見えないパッケージデザインです。

早速中をあけてみましょう。

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はい、よくある「低音フォン」らしい、ごつめであまり音の良くなさそうな佇まいです。
まさにそこら中に溢れかえる「ビーツ系駄イヤフォン」そのものであります。紐のようなイヤフォンケーブルも靴紐イヤフォンを思わせるものです。私の購入したこちらはガンメタル/ブラックでまだよいのですが、私が初めてみたものはゴールドで、もっとチープでありました(失礼)。


さて、このイヤフォンの素晴らしさを享受するにはまずイヤーチップから、というところがまずちょっと一呼吸置くところなのですが、私が以前ブログでも紹介したCarotONE TITTAにそっくりなイヤーチップ、ALPEXのものが大変よくあうので、これの購入が必須となります。

2012年12月29日記事「Carot One TITTA 純正とほぼ同じイヤーチップ ALPEX AEC-202M」
http://pcdp.sblo.jp/article/61104551.html

ツタヤやネットショップなどで格安で手に入ります。カラーバリエーションも豊富なので、楽しみも広がります。

それでは純正のイヤーチップは外してすぐこちらに交換し、早速試聴してみましょう。
写真では両方ピンクですが、後日右側赤左側青に変更しました。

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(試聴して知ってはいたが)一体なんだこの音は・・・
イーイヤホンなどの店頭で右から左、CIEM含めありとあらゆるイヤフォンを片っ端から聴きこんでいる私もこんな音は聴いたことが無い!

まず圧倒的支配力を持っているのは低域。これは見た目通りなんですが、これがイヤフォンでほかにはあるのか、というレベルの量。5EBあたりだけでしょうか。
それでいながらにして全くブーミーではなく、輪郭、エッヂが80点レベルである。
低音には元来五月蝿く、SE846ですらエッヂが足りないと、これにお金は出せないとなった私でありましたが、これはどうでしょう、ここまでの量と質を高次元で実現したイヤフォンヘッドフォンがほかにあるのか?

中域もボリューム感があるのにかまぼこ感や曇りは無い。ボーカルのリアリティが恐ろしく、特に女性のウィスパーなどは、本当にゾクゾクときました。ここまでの体感をイヤフォンでしたことは、過去にありません。

高域のノビもそこそこにあり、質が高いです。楽器の表現が実に巧い。音数が多くても一つ一つ鳴らす上に、低域や中域によって殺されることがないのも特筆すべきポイントです。

そしてこれらが全帯域にわたってひじょうにスムーズなつながりであり、ケンカしないのです。
ここが素晴らしい。すべての帯域ですべての音が、すべての楽器が、一音一音曇りなく冴え渡る描写、でもバラバラではなくナチュラル。
さらに主旋律のウラの表現が大変うまく、どの帯域でもどの楽器でもメイン、裏を描ききります。これのいいところは、ライブ音源などでメインヴォーカルのウラでのウィスパーや台詞まで表現するところであり、そのフェザータッチ感に酔いしれることもしばしばあります。

音の空気感や空間表現といったところは、これには驚くべきものがあります。ものすごく広いかといわれればそうではありませんが、聴かせ方、鳴らし方が広いのですよ。
微妙なニュアンス、各帯域、楽器における本当に微小な変化・揺らぎと言うものを繊細かつ大胆に表現する、実力の非常に高いイヤフォンです。

音質にはトレードオフがつきものです。量を求めれば質が劣る、ナチュラルさを求めれば解像感が劣る、色々あるでしょう。

このイヤフォンはまさにトレードオフ知らずです。

何で何を聴いても「オカシイ」という感想がまず口をついてくる言葉です。

例えばPCDPでいえばSL-S390系のように高域にアクセントのある機種で聴けば、バランスの良いクリアネスでありながら、締まった低域が素晴らしい音になりますし、D-11でDBB MAXにしてあわせてみれば、思わずあきれて笑うほどの馬鹿低音(なのに割れない、ブーミーでない、量と質のダブルパンチ)に加え、中域高域まで描ききる・・・
普通は再生機とイヤフォンヘッドフォンの傾向によっていい組み合わせ悪い組み合わせがあるものなのですが、両方の良いところだけを残すような再生音に驚かされます。

音源に移ってみればどうでしょうか、レディーガガなどのEDM、クラブミュージックなどは最も得意するところでありましょう、ステージのウーファーで慣らしている空気感を描きあげるイヤフォン、信じられますか?
空気を揺らす低音です。

男性ヴォーカルは例えばフランク永井のような魅惑の低音のセクシーな描写はもちろん、クリスタルキングやCCBのような高い男声もいけます。

このイヤフォンを語る上で女性ヴォーカルは外せません、ウェット感はもちろん、ドライ感も表現します。
非常に気色の悪い書き方にもなりますが、「唾液感」の描写がすばらしい、このイヤフォン以外で女性の歌を聴くことはできなくなるかもしれません。
先ほどウラの表現がうまいと書きました、女声のウィスパーや身体をなめるような音の描き方、ネバーランドへ誘うサウンドステージと言えましょう。

楽器の表現もうまいため、この音質傾向でありながらクラッシックもオーケストラもジャズも何でもよいでしょう。ヨーヨーマや2cellosを聴きながら目を閉じてみると、そこには楽器と身体を左右に揺らす彼らの姿を感じました。

色々と細かく厳しく聴きこんでいくと、確かにもうひとつ弦のクリアさであるとか、ちょっと欲しいところがあるな、とも思えますが、これほどのサウンドステージを実現したイヤフォンが他にはないというレベルであるので、全く不満にはなりません。

CW-L05QDを購入した際も、何で何を聴いても、聴き飽きた音源すらも初めて聴くような気分でした。
このイヤフォンもまさにその体験をさせてくれます。

Forte Impact Dura BASS TUNE、恐ろしいイヤフォンです。
これがたったの69ドルなのですから、これぞまさに数千円で十数万の音、ではないでしょうか。私にはこれがジェリーハービーがロクサーヌシリーズで出したかった(が出せなかった)音こそがこれであろうと、そう思いました。
実は今DACとセットだと49ドルで買えるみたいなので私は損してしまったのですが、イヤイヤ、この音なら690ドルでも690ポンドでも出していい、そう思えるので悔しさは微塵もありません。

イヤフォンヘッドフォンラッシュ、「またか・・・」というような思いも出つつあった今日この頃でしょう、とんでもない機種が現れました。



興味を持った方はこちらのクーポンコードから10ドル安く購入することが出来ますので、是非ご利用ください。
https://myforteaudio.com?redeem=NTZlYjIwN2VlOGQyMDIwMzAwZDVhNzc5


CYBERDRIVE公式→http://cyberdrive.audio/
右京崇本人によるレビュー動画(45分50秒より)→http://twitcasting.tv/ukyotakashi/movie/260836001
タグ:audio HEADPHONE
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右京崇とPCDP&ポータブルオーディオ研究部 イベントレポート




みなさんこんにちは。スタフ屋の右京崇です。
前々より告知をしていた初の主催イベント「右京崇とPCDP&ポータブルオーディオ研究部」のイベントレポートを書きたいと思います。

まずはじめに多摩という辺境に遠くは中部地方から足を運んでくださった皆様、本当に有難うございました。
人数も丁度良いくらいで、皆さんと楽しく交流が出来たのではないかと思います。

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施設の画面に表示されるとうきうきしてきますね。


そして設営。

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このように並べてみるとあんなに重かったのにたったこれだけか、と思ってしまいます。

並べてみるとなかなかに良いチョイスが出来たのでは?と思いますがいかがでしょうか。

今回のイベントはみんなでPCDPを持ち寄るというよりは、PCDP玄人の方はもちろん、PCDPに興味がある方、そうでない方、特にライトユーザーの方にこそ参加していただいて愉しんでもらいたいな、という趣旨がありました。
私のPCDPコレクションとPCDPトークを愉しんでいただく、というような、そういう体験型イベント的な感じですかね。

今回はPCDP25台とイヤフォンヘッドフォンPHPA少々、という感じでした。

みなさんヘッドフォンイヤフォン音源をお持ちいただいて、よく聴きなれた曲で聴いていただくのが一番ですね。

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ここでは書ききれないくらい内容の濃い、自分で言うのもなんですが大変素晴らしいイベントでした。
愉しんでいただくことができていれば、幸いです。

はじめは集まりはどうだろう、楽しいイベントになるだろうか、と不安が先行していましたが、終わってみれば本当に最高の一日に成りました。これまでで最高の一日になったといっても過言ではないですね。

今回初対面の方も多く、また、半ば無理矢理「ぜひ来てください」と誘った方もいます。
参加いただいたみなさんに、恐らくほぼ全部の機種を聴いていただけたかなと思います。
こちらの機種は聴きましたか、なにか印象に残った音の機種はありますか、と、色々お話が出来てたよかったです。

今回のイベントでしめの時間まで残っていただいた方には印象に残った機種をうかがうことが出来ました。
その人気TOP3を紹介します。

1 IBM CD-ROM CD-400
2 SL-S30
3 SL-XP7&SH-CDB7

3位は今日のイベントの一番の目玉と言ってもいいでしょう、XP7ですね。スペースの都合上音響用のパーツはあまり入れられないので、ほぼ純正どおりの音ですね。
2位のSL-S30はこれはもういわずと知れた私といえばの一台。つい最近高精度クロックに変えたことで、S30の音を知っている方からも「ここまで変わるか」と感心いただきました。
1位のIBMは、リンクもある不器用貧乏メモさんで紹介のあったIBM CD-ROMのシリーズですね。
何年も前になりますが、不器用貧乏さんのところで聴いたときになんだこれはと驚愕した一台でした。
今回イベントに持っていった中では唯一のオリジナル(F95など素晴らしいパーツを投入した個体を持っていく予定だったが出てこなかった)でしたが、堂々の1位でした。

今回のイベントに参加いただいた方もそうでない方も、イベントレポートと今回の機材をざっと全て紹介するツイキャスの動画を撮りましたので、是非ご覧になってください。
http://twitcasting.tv/ukyotakashi/movie/260836001


イベントに参加いただいた皆さん、本当にどうも有り難うございました。また機会があればよろしくお願い致します。
タグ:event audio
posted by うきょうたかし at 00:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2016年04月08日

ブラックゲートとMUSE F95、至高のブレンド


本日の持ち出し機種:SL-S30 T.Ukyo with Y.Tech custom
本日の持ち出しCD :電気式華憐音楽集団 電気式音楽集V



みなさんこんにちは。スタフ屋の右京崇です。
初の主催イベントが間近に迫り、準備が意外と整わないことと集まりが芳しくないことに不安を抱いています。

さて、今回はずっと前からやろうやろうと思いつつ意外とやっていなかったパターンについての報告です。

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今回の個体は私もイチオシの優良機種OHM CDP-330M。新しい新しいと思っていても年数がたってきたので、保証もありますし現行の830Zや3866Zを選ぶほうがいいとは思いますが、格安で買えるならありでしょう。

音質に一番すぐ簡単に出てくるところはHPカップリングコンデンサであり、まずここを交換することが手っ取り早い対策であることはもうご存知の通りですね。

以前に比べれば海外ディストリビュータはもちろん、ネットショップや店頭でも随分とコンデンサの取り扱い品種が増え、小型機器の整備改造には本当に良い時代になりました。(もっとはやくにこうなっていれば!)

昔からの定番BGにオススメのMUSE F95、こちらをブレンドしてみました。

BGといえばこの唯一無二の低域をはじめとした音質が特筆すべきところであり、それはこの小型品でも同様のものがあります。
対してMUSE F95は高域と輪郭にアクセントがありつつも自然な音質が魅力です。

この二つをあわせればそれぞれの良い所を堪能できる素敵な音質チューニングになるのでは、と思いつつもまだ試してはいませんでした。
やろうやろうと思いながらやらないのは私の悪癖でも有ります。忘れないうちにやらないといけません。

というわけでこのようにBGとF95を並列に取り付け。裏面ちょっと雑ですがまあいいでしょう。

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たったこの二箇所だけなのですぐですね。
ほかの駄コンもついでで全部交換してしまうべきですけど、まあソレはそのときがきたらということにしておきましょう。

作業が終わったら即試聴。
いやぁ、予想以上に素晴らしい・・・ なぜもっと早くにやらなかったのか。

BG持ち前の低〜中域の量感そのままに、MUSE F95による明瞭感と輪郭がダイレクトにきます。
そうです、低域のアタック感とリアリティが全く違うのです。これほどまでに量と質の高いバランスというのは中々できないものです。
BGが主導する低域にMUSE F95がついたことで、BGだけでは得られなかったゾッとするほどの弦感が感じられました。
全域に渡りバランスが取れていて、低〜中域の量感と質感、高域のナチュラルなノビは様々なパターンを試してきた私にも、単一の銘柄では不可能な域であると思いました。

ブレンドはともすればマイナスになってしまったり、期待はずれだったり思うようにいかないことも多いですが、それぞれの良い所を倍々にしたような結果になりました。

純正と比較試聴すれば、たった二箇所のコンデンサを交換するだけでこれほど変化が出るものかと、毎度のことではありますが思います。

BG+MUSE F95、お持ちの方は是非お試しください。


スタフ屋→http://www.sutafuya.net/
タグ:DIY 整備 OHM
posted by うきょうたかし at 04:49| Comment(0) | TrackBack(0) | PCDP

2016年04月01日

高精度クロック導入 SL-S30五年ぶりの更新


本日の持ち出し機種:
本日の持ち出しCD :



みなさんこんにちは。スタフ屋の右京崇です。
今日はエイプリルフールですがエイプリルフールネタはなしでお送りします。

私の所有PCDP個体、早急に整備をしなければならないものも多くありますが、それ以上に私が既に手がけた個体が多くあります。
いずれももう長いものでは5〜10年、使用パーツは〜15年と、前々からも言っていますが「第二次」の整備時期が到来してくるのも時間の問題です。

さて、そんななか「私といえば!」でおなじみにもなっている一機種、SL-S30の構成を5年ぶりに変更しました。整備もそれ以来になりますが、私の整備が問題ないことを裏付けるかのように、外装の汚れ以外に何も問題はありませんでしたね。

今回の変更点はクロックです。
元々村田のセラロックがついていたところを京セラの水晶振動子に変更していましたが、今回はより精度の高いTCXOを組み込みました。

元々クロックの重要性はホームオーディオから良く知っているところであり、PCDPについても水晶振動子だけでなくいずれは高精度なクロックの組み込みも、と考えてはいました。

しかしなかなか手を出し辛いところでもありました。海神無線で扱いのあるフィデリックスのピュアリズム2(http://www.kaijin-musen.jp/124_5093.html)を一個買ってみようかしらともおもっていましたが如何せん値が張ります。


そんななか、ひょんなことからご好意で提供していただくことが出来たクロックモジュール、こちらを早速組み込みました。

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ピッタリと収まりましたね。
久しぶりに中をあけましたが、やはりMUSE-FXは素晴らしく音の良さそうな美しい緑色です。


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早速試聴。ちなみにこのIEMは今話題のビスパさん「Ba医王」にてクリーニング。写真では伝わりにくいですが新品のころを超えた艶めきです。
元々非常に高いスペックを持つSL-S30に加え、MUSE-FXの音。下から上まで万遍の無いサウンドステージではありましたが、今回のクロック交換では予想以上の効果が出ました。

まずはノイズフロアが圧倒的に下がり、S/N、分離とも数段向上。
すべての音が「バシッ!バシッ!」とキマります。音数が増えれば増えるほどに一音一音のダイレクトさとリアリティを感じられます。

クロックの重要性は十分に理解していましたが、PCDPではここまで変わるものかと。確かにコンデンサ変更における音の変化もともすれば据え置き機より如実に出るものがポータブルオーディオですから、クロックはより効果があったのでしょう。


SL-S30の少ない問題点といえば、これはもう仕方の無いところではありますが、近年のHi-DAPと比べればノイジーである、Hi-DAPと比べれば解像感がない、といったアナログVSデジタルが出てしまうところであります。
しかし今回の高精度クロック導入では、そこがなくなり、PCDPでいえばD-NE20を思わせる究極のクリアネスを獲得したように感じました。

そのうえで、Hi-DAPやD-NE20にある「つまらないデジタル臭さ」が無いのです。


オールドPCDPは第一次整備から第二次整備・拡張の時代に突入しています。
ディスクマンの互換ギヤーの製作はCDROMROM系の方が達成されたようですし、私も松下・SONY各機種対応の互換部品を製作しなければならない時が、そう遠くないなと思いました。


スタフ屋→http://www.sutafuya.net/
SL-S30紹介→http://www.sutafuya.net/pcdp/sls30.html
ビスパBa医王→https://bispa.co.jp/blog/1029
posted by うきょうたかし at 16:37| Comment(0) | TrackBack(0) | PCDP