スタフ屋の右京崇です。
昨年急な新製品の発売ニュースに驚き即座に予約購入したSHANLING EC Miniですが、まあはっきり言ってしまえば期待外れと言いますか6万円も払ってこんなものかととてもガッカリして苦虫をかみつぶしたような顔をせざるを得ない機種だったわけですが、それとほぼ時を同じくして発表された水月雨MOONDROP DISCDREAMという機種も実は中華サイトにて予約購入をしていました。
現物のツイートなどもあったことからすぐに来るだろうと思ってわくわくしていたのですがこれがいつまでたっても音沙汰がない。
購入ページも注文等が出来ないような状況が続いており、これはかつてだまされたSEIUN PROと同じかなと、支払額をまるまるどぶに捨てることになるのかと正直落胆したといいますか、まあEC miniで絶句したこともあってまあどうせ碌なもんじゃなかったんだろうと忘れることにしていました。
すると今年の9月になんとメールが届き注文したものは製造できずアップグレード版になるとのこと。キャンセルするかアプグレ版にするかという確認でした。
せっかく楽しみにしていた機種でしたから迷わずアプグレ版でお願いしますと返信。
それから一か月たち本日到着しました。

MOONDROP DISCDREAM ULTRA2


見た目は合格です。
金属製ボディは非常にデザイン性に優れ、最小限の画面やわかりやすい操作部、私がPCDPとはかくあるべきとするものを具現化したようなハード面です。
即座に気づいたのですがフタに関してはロック機構がなくパカパカしてしまう構造。
この点「だけ」ポータブルCDプレーヤーとしては決定的に落第なのですが、まあ蓋があいていても再生はできるので目を瞑るとしましょう。
ちなみにバッテリー込みの実測の重量は711g。ECminiが1252g、SL-XP7+SH-CDB7(エネループ換装)が1152gだったので随分と軽いです。概ね数あるオールド機2台分くらいでしょうか。
参考までに私のSL-S30カスタムモデルが電池込み370gでした。
さて、UIやらデザインやらの見てくれは完璧であるとして、肝心の音質はどうでしょうか。
ハードが良くても音が悪ければそれはもうPCDPとしては無価値になってしまうのです。
早速ヘッドフォンで試聴。
その瞬間から音作りのすばらしさに息をのみます。
確かに昨今のデジタル世代のDAPのような圧倒的な解像感はないのですが簡単に言えばオールド機の優良機種を思わせるような実に巧い音作り。欲を言ってしまえばこの方向性の音作りであればもっとミッドが張り出していて、かつローが粒だっていれば完璧ではありますが、あくまで音質傾向としてはリアルらしい、モニターライクな方向性のなかにリスニングライクな味付けをしているように思いますので、何を聴いても破綻が無いようにということであればこれはこれで正解でしょう。
私がすぐに唸った点は女声ヴォーカルの表現力。
といってもセクシーな感じや艶感とか、そういう方向性ではなくて、あくまでスタジオモニターのような、リアルらしい正確さ。
若干センターにより気味になる傾向こそあれこれは過去の数多なプレーヤーと比べても図抜けた特筆すべき魅力です。
ヘッドフォンやイヤフォン、CDをとっかえひっかえして聴いてみましたが、大変素晴らしい音作りに感銘を受けるほどでした。
確かに蓋の問題や光デジタル端子がずっと光ってるところ、サーチの連続性の無さや音量調節の遅さなどマイナス点はいろいろとありますが、完成度ということでいえば歴代の中でもトップクラスと言っていいものでしょう。
期待が大きかったり待ち焦がれていた部分もありますが、これだけ感動したのはいつ以来でしょうか。
丁度今年はPCDPが発売されてから40年になる年です。40年の歴史の終極の頂き、PCDPの集大成とさえいえるのではないかと。
「PCDP、ここに極まれり。」
わたくし右京崇がブログやツイッターなどで昔からずっと言い続けてきた理想を具現化したといっても差し支えないほどに僕が夢見た一機種です。
まさにDISCDREAM。その名の通りの逸品。
PCDPでこれだけ感動の涙を流すのはかつてSL-XP7を手にした時以来です。
究極にして至高の一台、MOONDROP DISCDREAM ULTRA2。
わたくし右京崇が自信をもって皆様におすすめできる一台。ぜひ購入して聴いてみてください。

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