本日の持ち出し機種:SONY D-111改
本日の持ち出しCD :中原めいこ「MOGA」
みなさんこんにちは。スタフ屋の右京崇です。
今日は少々暑い一日でしたが、先週末くらいから随分と気温が下がり秋の訪れを感じる今日この頃です。
ところで今回は最下位機種ながら「今」を考えたときに上位機種よりも耐久性や整備性などが優れた、音質も全く劣ることのない実力派の一台を紹介したいと思います。
こちら、SONYのD-111です。

少々大きめながら操作性や視認性の良さが使いやすさを感じさせる一台です。
シャンパンゴールドに緑という一風変わったカラーも実においしいですね。ほかにモスグリーン系もあります。
型番からD-211,D-311の下位機種であると思います。92-93年頃の機種ですね。
上位のD-211は同じようなサイズですが表面実装があり、際立った薄さが印象的なD-311は当然の如く表面実装電解が並んでいます。
しかしこの最下位機種であるD-111は全てがスルーホールの電解コンデンサです。クリアランスもスイッチ回りを除けば余裕があり、経年劣化の整備や音響用コンデンサなどを入れて遊ぶことを考えれば上位機種よりも優れている一台です。
先に「今」を考えればと書きましたが、90年代前半までの機種では特にこの電解コンデンサの劣化が大きな問題になってきています。特に表面実装のものは経験上スルーホールのものよりも故障率が高めで、電解液を噴いたときに直ちに基板に影響を与える可能性が高い厄介な存在です。
取り外す際に基板を破損させるリスクも大きいですね。
そういったことから「今」古いPCDPを整備することを考えれば、表面実装コンデンサが並んだ薄型機よりもスルーホールコンデンサの分厚い機種のほうが優秀であるといえます。
今も昔も上位機種はより薄くコンパクトに、を意識しているため、上位機種よりも下位機種のほうが「良い」といえるポイントが存在する例は往々にしてあります。
さて、このD-111を使用してみた感想ですが、サイズが大きいということでやはり携帯性は悪いです。
しかしD-223と全く同じボタン配列は実に操作性がよく、鞄に忍ばせて操作する際も不便がありません。
音質は近いところではD-101/202系で、実に凶悪なDBBや力強い音が印象的ですが、D-101系やD-223系に比べると音楽やヘッドフォンの得手不得手相性があるようにも感じました。
ですが、ハマった時の音質は実に個性的且つ驚異的なもので、広さや豊かさなど、何時までも聴いていたいと思わせるものがありました。
HD25-1Uとあわせて歌謡曲などを聴いてみると、情報量や広さ豊かさはハイビット機のそれを感じさせるほどの実力でした。
残念ながらもっと大きいヘッドフォンや、また曲によって合わない場合はうるさすぎたりつぶれてしまったりということもありました。先に書いた音楽やヘッドフォンの得手不得手相性ですね。
どんな機種にも有り得ることですが、この機種は特にその傾向が強いと感じました。
サイズも重量も大き目でデザインやカラーも好みが分かれるところではありますが、音質や整備性、互換性などさまざまな面からみて実に完成度の高い実力派機種のひとつといえるでしょう。
現在よく使用している私のD-111はこのようになっています。もともとのそういった個性がより強くなりました。

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